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山田温泉「大湯」

昨日の事。母を温泉に誘ったけど、もうそんな元気がなさそうで
ならばと夫のいない夜は、帰り掛けに何処かのお風呂に寄っていこうと思った。
それを聞いて母は、「道中眠くなれば困るから早く帰って家でゆっくりするんさァ」。
「そうね、お風呂に入るとくたびれるもんね」
とは言って見たけど今夜も冷えてきて寒い。
ちょっと足を伸ばして、コッソリ山田温泉「大湯」に寄った。
山田温泉「大湯」_f0215591_09505863.jpg
地元の人らしい5人の先客が世間話をしながらゆったり湯に浸かっていた。
暫くすると壁の向こうから「出るで~~」
隅のほうで話をしていた方の一人が「は~い!」
『じゃ、お静かに。。。。(ごゆっくり!の意)』そういって出て行かれた。
ご夫婦でいらしているんだなァ。
その内もう一人の方も「お~い、出るよ~」の声に「はい!」
以前来たときもそう思った。微笑ましい光景だと。
源泉掛け流しでお湯が大変熱い。「あつ湯」と「ぬる湯」の浴槽が用意されているけど
うっかり長湯をすると湯あたりを起しそうで、前にそんな気分になったことがあったのだ。
今日も注意してたのにすきっ腹だった所為か同じ様になって暫く扇風機に当たった。
外はすっかり日が暮れて暗くなっていた。 

山田温泉「大湯」_f0215591_09524212.jpg
≪山田猿湯
  春風に 猿もおや子の 湯治哉   一茶≫
という一茶の句に並んで      (この時代にもお猿さん既にお風呂に入ってたんだね)

≪つかれもなやみもあつい湯にずんぶり≫ と詠んだ山頭火の句碑がある。
以前、山頭火もここを通ったのかと興味を持って調べたことがあった。
山田温泉「大湯」_f0215591_09535303.jpg
俳友を旅先で一人また一人と訪ねた山頭火、東京から国鉄で甲府へ。
そして信濃路入りしたのは、1936(昭和11)年5月の中・下旬のこと。
5月21日中軽井沢から草津へ、万座とで宿を取りながら、
26日には
   五月廿六日 曇、后雨。
   万座峠(山田峠ともいふ県界)の頂上まで半里、それから山田温泉まで下り三里。
   上洲マヽから信州へはいつてくると明るくなつたやうだ(白根から万座峠を下つて)、
   概して道がよろしい、道標がしんせつに建てゝある、旅人はよろこぶのである。
 と、「旅日記」に記している。

万座峠を経て山田温泉、須坂へ下って村山橋を渡り当時の大豆島村、
西風間の風間北光(ほっこう)宅へと。
俳友を訪ね、その時々に自由な句をたくさん残しながら・・・善光寺平へ。
「旅日記」には詳しい足跡が記されていて、それによると
『つかれもなやみもあつい湯にずんぶり』という句は、実際には万座で詠んだらしい。
その後信濃から越後へと旅は続く。

   「私が温泉を好むのは、いはゆる湯治のためでもなく遊興のためでもない、
   あふれる熱い湯に浸つて、手足をのび/\と伸ばして、とうぜんたる気分に
   なりたいからである。豊富な熱湯、閑静な空気が何よりだ。」
と、記した山頭火。
同じ気分に浸りながらゆっくりと、当時に思いを馳せた。




by waku2-tuduri | 2016-10-30 23:39 | Life


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by われもこう

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